ギリギリのケース(前編)【29回】

by | Aug 1, 2014 | 連載記事 | 0 comments

弊社にお越しになられるお客様でとても多くみられるケースが、「ギリギリのケース」です。いわゆるビザの失効期限が迫ってからお問い合わせを下さる方、或いは御本人は期限が迫っていると思っていらっしゃらなくても、私の説明を聞いてパニックになる方などのケースを私はこう呼んでいます。またビザだけでなく、移民申請に関しても「なぜ今まで移民申請をされなかったのですか?」と伺ってしまうようなケースを見かけることがあります。

今月はこのような、「時間に余裕のない」ケース、特にビザに関するケースについてお話させて頂きます。尚、次回は移民申請がギリギリのケースについてお話する予定です。

Working Holiday VisaからWork Permit申請

以前にTORJAにて、Working Holiday Visa(”WHV”)から雇用主限定のWork Permitへ切り替え、就労を続ける場合に様々な条件を満たしていなくてはならないということについてお話させて頂きました。WHVで就労し始め、雇用主より「このまま暫くここで就労して欲しい」という話が出た時点で直ちに弁護士、或いは政府公認移民コンサルタントに相談して下さい。雇用主限定のWork Permitを取得するためには、準備期間も含め十分な時間が必要です。

具体的な期間としては、Labour Market Opinion (”LMO”)申請を準備するために1ヶ月間、Service CanadaにLMOを申請して約2ヶ月間、Work Permitを申請して更に約2ヶ月間。合計で5ヶ月間は要するとお考え下さい。審査期間については残念ながら弁護士も政府公認移民コンサルタントもルール上保証することは禁止されているため、これ以上の期間を要することももちろんありえるということをご理解下さい。

また沢山の方が誤解していらっしゃるようですが、LMOをService Canadaに申請したからといって、WHV失効日後もLMO審査期間中であれば就労してもいいという法律は一切ございません。従ってWHVの残りの期間が短い方は他のビザ(例・ビジタービザなど)を別途申請し、WHV失効日後は一時的に就労できなくなるということを念頭に置かなければなりません。

WHVが失効する数ヶ月間前に雇用主限定のWork Permitを申請したいとお問い合わせを頂くことが多々あるため、今後もしそういったオプションをお考えなのであれば直ちに行動を起こすことを強くお勧め致します。また雇用主も外国人を雇うということは(ビザ申請に)それだけの時間がかかるということを認識する必要がございます。

Visitor VisaやStudy Permit申請

ビジタービザやStudy Permitについては「失効日の1ヶ月前までに申請すること」とCICのWebsiteに記載があります。法律上では失効日までに書類がCICへ届いていれば受理されますが、時間に余裕を持って、最低でも1ヶ月半程前には申請していることがベストです。特にビジタービザは審査期間が約3ヶ月要することもあるため、早めに申請しておくことがベストと言えます。

尚、失効日までに何らかのビザ延長申請を済ませておけば、そのビザが承認される・拒否されるまでは(失効日が過ぎていても)合法的にカナダに滞在することが可能です。これを移民法でImplied Statusと言います。但しこの期間中は国外へ出ることはできません。

お客様から「明後日ビザが失効するのですが・・・」「今日ビザを見たら、残りの期間が1週間を切っていることに気がつきました」などのお問い合わせを受けることが多々あります。こういった、まさにギリギリのケースについては、大至急申請書類を整えることもそうですが、それ以上にまず失効日までに間違いなく申請書がCICへ届くということを確認することが大切です。届かないようであれば、オンラインで申請することも視野に入れて臨機応変に対応しなければなりません。

いずれにせよ、失効期限ギリギリに申請をすることは常にリスクを伴うものであり、弊社へお問い合わせされるお客様は皆様ストレスを感じていらっしゃいます。お客様に「これしか方法がありません」とお話しすることはとても心苦しく、できれば避けたいことです。お早めにお問い合わせ頂ければ、いくつかオプションを提案することができるかもしれません。最悪の事態にならないよう、ビザ申請は余裕を持って計画をし、心配であれば弁護士や政府公認移民コンサルタントに早めにお問い合わせ下さい。