No. 48 – 移民申請審査期間

by | May 10, 2017 | 連載記事 | 0 comments

移民申請を考えていらっしゃる方にとって一番知りたいのは「審査期間」ではないかと思います。事実、私がお客様から受ける質問で一番多いのは「移民申請してから移民権取得までの期間の長さ」です。また「国内申請と国外申請ではどちらの方が審査期間は短いですか」という質問も良く受けます。移民申請は申請してすぐに取得できるものではありません。申請前にできる限り申請した後の審査期間のことも念頭に置き、おおよそのタイムラインを理解してからプランを立てて準備を進めていくことがベストと言えます。今月は結婚、或いはCommon-lawとして移民申請した場合の審査期間についてお話致します。

最新のニュース

6月13日に移民局が発表した内容によると、2016年度はこれまで問題視されてきた、家族移民(扶養家族)のカテゴリーにおける審査の遅延を著しく減少させるため、25億ドルの予算をかけて対応していくとのことです。その例として、昨年よりも審査受け入れ可能な人数を増やすことなどを挙げています。審査官を増やして審査可能なケース数を増加させることで、現在滞っているケースについても早期に対応していくとの意思を大臣が発表しています。

政府が発表している審査期間

公に発表されている審査期間は国内申請で26ヶ月間、国外申請(日本国籍、或いは合法的に日本に滞在している方)で11ヶ月間です。尚、これらの期間はスポンサーとしての条件を満たしているか否かという審査期間も含んでいます。

実際のところはどうか

私がまずお客様に最初にお話するのは、「弁護士も政府公認移民コンサルタントも、審査期間を決して保証することはできない」ということです。審査官によって審査期間が異なることなどから、私共がお話した審査期間よりも大幅に長くなることや短くなることも十分あり得ること、また公に発表されている審査期間はあくまでも今後のタイムラインの参考程度に留めておくべきであることなども事前にお伝えしています。

国内申請の審査期間が実際に26ヶ月要しているのか、ということですが、私のお客様で審査に26ヶ月間要された方は実は稀です。皆様遅くても18ヶ月程度で承認されていらっしゃいます。最近になって8ヶ月程度で承認されるケースも出てきました。恐らく前述した移民局のニュースにあるように、審査の遅延を減らす努力を政府が実際にしているのではないかと推測します。但しこの事実と反比例し、国内申請の強みである、Open Work Permitの発行に遅れが出ているようです。本来ならば4ヶ月以内に発行されるはずですが、現在発行まで5ヶ月要するケースも出てきました。

国外申請の審査期間についても、私のお客様で11ヶ月要しているケースは稀です。複雑なケースなどでない限り、皆様6ヶ月程度で承認を得ています。つい最近になって、Common-lawのケースで2ヶ月以内に移民審査が完了したお客様がいらっしゃいました。これにはさすがに驚きましたが、過去同じくCommon-lawのケースで3ヶ月以内に審査が完了したケースがあったため、不可能でないということは知っておりました。承認された旨お客様にお電話した際、あまりの早さに驚きすぎて言葉を失っていらっしゃいました。

重要なポイント

審査期間に遅れを出さないようにするためには、移民局に提出する書類に全くミスがないことが最低条件とお考え下さい。申請書の記入の仕方が間違っていないこと、申請料の支払いに不備がないこと、添付書類に抜けがないこと、失効している書類がないこと、特別なケースである場合その事実をバックアップする書類・説明がわかりやすい方法で添付されていることなど、事前に細かい部分まで注意を払ってパッケージを準備する必要があります。必要書類の内容は断りも無しに突然変更となるため、ご自身が提出される書類全てが最新の内容に対応していることも必須となります。これら全てをクリアしてはじめて、審査が滞りなくスムーズに運ぶとお考え下さい。移民申請は(準備期間も含め)とても長くストレスフルなプロセスですので、ご心配であれば弁護士、或いは政府公認移民コンサルタントに代理申請を依頼することをお勧め致します。