特別編 最新情報【28回】

by | Aug 1, 2014 | 連載記事 | 0 comments

今月は最近の移民法改定、または近い将来の改定についてお話したいと思います。

申請料金改定

ビジタービザ、学生ビザ、就労ビザの申請料が2014年2月3日付で以下に変更となりました。

  • ビジタービザは75ドルから100ドル
  • 就学ビザは125ドルから150ドル
  • 就労ビザは150ドルから155ドル

となります。申請料の変更は長い間行われていなかったため、突然の変更に「知らなかった」という方も多いようです。今後これらのビザを申請する場合には注意が必要です。

就学ビザ申請条件改定

2014年6月1日付で就学ビザに関して大幅な改定が実施となります。現時点で発表されている主な変更点は以下となります。

  • 就学ビザが発行された場合、実際に学校に通学することが必須となる。通学しなかった場合、強制的に国外退去となる可能性もある。
  • 移民局が指定した教育機関で就学すること。また課程修了時にDegree、Diploma、Certificateが発行される大学或いは専門学校のみ、就学ビザ申請が可能。
  • 就学ビザを保持している場合、Off-Campus Work Permitを別途申請せずに就労が可能。
  • Co-op Work Permit申請は必要不可欠な場合のみ可能。
  • 就学ビザは課程を修了した日から90日以内に失効。
  • 課程修了後、Post-graduation Work Permitの合否が決定されるまでの期間(条件を満たしていれば)合法的に就労することが可能。
  • 就学ビザに関する詳細については追って発表されるとのことです。この変更に伴い、現時点で就学ビザ申請が可能なプログラムが2014年6月1日以降は(教育機関の指定により)申請ができなくなる可能性も考えられます。

市民権申請条件改定案発表

2014年2月6日、移民局の大臣が市民権申請条件の改定案(Bill-C24)を発表しました。改定案の主な内容は以下となります。

  • 申請者は、申請日より過去6年間のうち、4年間はカナダにPRとして滞在していることが必須。またその4年間は各年につき183日間以上滞在していることが必須。
  • 申請料の改定(2014年2月6日付で100ドルから400ドルに改訂済み)
  • 市民権申請の詐欺や詐称を防ぐため、罰金を最大100,000ドルまで引き上げ、懲役5年とする。
  • 市民権申請却下の理由の一つに、「海外での犯罪歴」が追加。
  • 市民権申請者はIncome Taxの申請義務付け。
  • 言語テスト、ならびにカナダ知識テスト受験者年齢変更(現在18歳から54歳が14歳から64歳に変更)

これらの改定案は「カナダに実際に住み、カナダ人としての義務(税金・選挙など)を 果たすことができる」人達にカナダ市民権を授与することを念頭に置いて提案されています。言語テストや知識テストは国の発展に貢献できるPRの人達に市民権を与えるために実施されています。また今回提案されている改定によって、「実際にはカナダに住まないが、カナダの市民権を取得することによって得ることのできる便宜のみを利用する」人々を減らし、実際にカナダで暮らして税金を納めている国民の負担を減らす目的もあるとのことです。

家族移民(Parents & Grandparents)

申請上限数達成

2014年1月2日より再開した家族移民(Parents & Grandparents)カテゴリーですが、規定の申請数(5,000通)に2014年2月3日付で達したため、本年度の申請を閉め切ったと発表がありました。配偶者、扶養家族も含め合計9,000人がこのカテゴリーで移民を申請しています。

尚、このカテゴリーの再開は2015年1月の予定です。従来のように上限なしに受け入れる方法ではなく、申請上限を設けたことにより、以前まで問題視されていた審査の遅れの75%程度を2015年までには取り返せるのではないかと言われています。

TFWP規則強化

昨年末にService CanadaはLabour Market Opinion (“LMO”)申請について雇用主に対するルールを更に厳しくしました。今後LMO発行より6年間は雇用主がLMOの内容(雇用条件、給与、就労時間、職務内容など)を厳守しているかということを令状無しに視察することが可能となり、また関連書類提出にも応じることが義務づけられました。また外国人就労者やカナダ人就労者に任意でLMO について聞き込みをすることも可能となりました。

LMOの内容について雇用主が違反している場合、悪質な雇用主とみなされる前に改善期間が設けられます。改善が見られない場合、悪質な雇用主とみなされ、会社名、所在地が政府のWebsiteに記載され、2年間は外国人を雇うことが禁止となります。審査中のLMOがある場合には全て却下となり、既に発行済のLMOについても撤回し、失効とすることが可能となりました。

今後外国人就労者を雇いたいと考えている雇用主はこのような条件も十分に考慮に入れることが必須となります。