No. 65 – PR更新条件の例外について

by | Aug 3, 2018 | 連載記事 | 0 comments

6月号にて、Permanent Resident Card (“PRカード”)の更新に関する基本的なルールについて説明させて頂きました。今月号では、そのルールの中でも特にResidency Obligationと言われる、「直近5年間のうち730日カナダに滞在していることを証明しなければならない」という条項の例外についてお話致します。

■基本的なルール
繰り返しになりますが、PRとしてのステータスを更新するためには、直近5年間の間に最低でも730日はカナダに滞在していたことを証明しなければなりません。この730日という日数は、「継続してではなく、合計で」という計算になります。

■例外
下記のシチュエーションのいずれかに該当する場合、たとえカナダ国外に滞在していたとしても730日の一部、すなわち「カナダ国内に滞在していた日数」としてみなされます。

• カナダ国籍を有する配偶者、或いはコモンローパートナーと国外で一緒に滞在していた場合
• 22歳以下の未成年で、カナダ国籍を有する父親、或いは母親と国外で一緒に滞在していた場合
• カナダ国外でカナダの企業に勤務している場合
• カナダ国籍或いはPRステータスを有する配偶者、或いはコモンローパートナーがカナダ国外でカナダの企業、或いはカナダ政府関係の仕事にフルタイムで勤務している場合
• カナダ国籍或いはPRステータスを有する父親、或いは母親がカナダ国外でカナダの企業、或いはカナダ政府関係の仕事にフルタイムで勤務している場合
• カナダ国内において政府関係の仕事に勤務しており、その仕事の関係でカナダ国外においてフルタイムで就労しなければならない場合
上記いずれかに該当する場合、その証明と共にPRステータスの更新申請をしなければなりません。該当するシチュエーションによっては、提出書類がとても複雑になる場合もございます。

■それでも730日に満たない場合
どうしても730日に満たない場合で正当な理由がある場合、Humanitarian and Compassionate枠で申請をすることが可能です。但しこの審査はcase by caseで行われることとなり、準備にも審査にも時間を要する複雑なケースとなります。PRステータスの更新ができなかった場合に待ち受ける困難の度合い(例:家族全員がカナダに滞在しており、自分が主体となって経済的に家族を助けているか、子供にどのような影響がでるか等)を考慮しながら審査が進められることとなります。

■うっかりしないためにも
PRステータスを取得したら、必ずTravel Journalを自分で記録しましょう。PRステータスの更新時や将来Citizenshipの申請を考えている人にとってとても大切な資料となります。記入は移民局のWebsiteからダウンロードできるファイルでも大丈夫ですし、ご自分でMicrosoft Excelなどを利用して作成しても大丈夫です。

Travel Journalには下記情報を書き込むようにして下さい。
• カナダを出国した日付
• カナダに再入国した日付
• 出国先の国名
• 旅行の理由(詳しく)

アメリカなど、24時間以内の出国でも記録は必ずして下さい。そしてTravel JournalはパスポートやPRカードと共に保管しておいて下さい。

730日という日数を必ず満たすためにも、自分の出入国記録を保管することは大切なことです。面倒でも必ず記録されることをお勧め致します。特に最近では国境でオフィサーがパスポートにスタンプを押さないというシチュエーションが多くなってきたため、この記録を自分で残しておくことが良策と言えます。

■一人一人シチュエーションが違うので簡単に判断しないこと
2ヶ月間に渡ってPRステータスに関するルールを説明させて頂きました。お問い合わせを頂く方皆さんの状況を拝見していていつも思うのは、いかに「一人一人シチュエーションが異なるか」ということです。ケースが複雑な場合には移民弁護士、或いは政府公認移民コンサルタントにご相談されることを強くお勧め致します。