No. 67 – 複雑なケースの定義

by | Sep 24, 2018 | 連載記事 | 0 comments

今月はSponsorship申請における、いわゆる「複雑なケース」についてお話します。

■なぜ審査期間が長いの?

国内・国外申請に関わらず、どのケースでもProcessing Time、つまり「審査期間」の目安があります。その期間を越えてもなお審査が完了せず明らかに審査期間に遅延が発生している場合には、移民局が複雑なケースとして処理している可能性があります。複雑なケースとみなされた場合、審査期間に遅れが出ることはもちろんですが、追加で書類提出のリクエストが来たり、その書類を提出した直後に別の書類の有効期限が切れたため再提出になったり・・・など様々な理由で審査が遅れ、最悪1年、2年と遅れる場合も絶対にないとは言えません。

■審査期間の遅延に繋がる具体的な理由

具体的には以下の例が挙げられます。

• 申請書に記載のある連絡先(Email、住所、電話番号など)に変更があり、最新のものにアップデートされていないため連絡がつかない
• 追加書類の提出を求められていたにも関わらず、提出をしなかった、或いは遅れて提出をした
• 扶養家族(子供)が申請後に18歳になった
• 申請後に子供が生まれた、妊娠した
• 申請後に子供(申請時に21歳以下)が結婚した、或いはその子供に子供が生まれた
• 申請後、婚姻関係に変化があった(離婚・別居・再婚・結婚)
• 申請後に子供の親権が変更した
• 健康診断の有効期限が切れたため、再度受診するようにとの指示が出た
• 警察証明書の有効期限が切れたため、再取得するようにとの指示が出た
• 警察証明書を全て提出していなかった
• 面接に呼ばれた
• 違法で滞在していたことがある
• カナダ国内、或いは国外にて罪を犯したことがある
• 犯罪組織と関わりがある
• カナダ政府に負担が発生するような重い病気を患っている
• カナダ政府に負担が発生する可能性があるほど経済的に不安定である(破産など)
• 申請書或いは面接にて虚偽の事実を述べたことがある
• 家族にカナダ入国を認められていない者がいる
• スポンサーが過去個人移民する際に(その当時婚姻関係、或いは親子関係にあった)配偶者或いは子供を申請書に含めなかった

■弊社のお客様の例

年単位で審査が遅れるケースは稀ですが、過去印象深いケースが一つ二つございます。その中で大幅に遅延が発生したケースが一つございました。

• 移民申請時に主申請者が妊娠されており、健康診断(その当時は移民申請時に提出必須でした)においてレントゲン検査をすることができず、お子様の出産後まで待機してから再度健康診断を受診し、移民局に送付。再三に渡って再受診完了の旨移民局に連絡をしたにも関わらず審査が一向に前に進まなかったケース

結局このケースに関しては国外(フィリピンのカナダ大使館)が全く対応をする気配を見せないためケースを取り下げ、国内申請に切り替えました。ケースの取り下げも半年以上要しました。

■申請後はあまり不安にならずに待つこと

お客様と一緒に申請準備をさせて頂き、いざ申請するとなった段階で、私がお客様に必ず申し上げることがございます。それは「申請後はあまり神経質にならず、リラックスして待つこと」です。審査官はロボットではないので、審査期間の目安があると言っても多少の誤差は出るものです。お客様の中には毎週オンラインのステータスをチェックしてはため息をつき、私に進捗状況を聞いてくる方も過去にいらっしゃいました。明らかに遅れが出ている場合には直ちに対策を取りますが、他のケースと比較してあまり誤差がない場合には(お客様がお怒りにならない程度に)どうぞご心配なく、進捗があり次第ご連絡致しますと申し上げています。

但しこの「ケースが順調に進んでいるか」或いは「遅延が出始めているか」の判断は難しいところであり、やはり多数のケースをモニタリングしている代理人であることが故にわかることであると私は思っています。一概に「何が何でも自分で移民申請する!」とは思わず、オープンな気持ちでコンサルテーションをご予約されることをお勧め致します。